自分deできる整体|広島らくしんかん整体 ”療術家と親指の関係”

前回の”指の水掻き”で触れましたが、

整体指導者にとっても、療術家にとっても

手の指、とくに”親指”は重要視されていると思います。

 

タイトルも含め”親指”と書いていますが、本来は”拇”と書くそうなんですね。

ここでは便宜上”親指”でいきます。

 

故・岡島瑞徳先生からは”親指をつぶすな! 大切にしろ!”とよく言われました。

しかしながら、堅い身体や人数をこなしているうちに、つい親指に力がはいってしまい、

親指が痛くなって壊してしまうことがあります。

 

前号で紹介しました通り、手は”第2の脳”のとも言われるくらいで

特に親指は”脳”にも密接な関係があります。

親指を慢性的に痛めると、脳疾患の原因になるだけでなく、思考力や

判断力という脳の働きを鈍らせてしまいます。

 

指圧系の療術家のなかには、晩年になると頭をやられる人が時々いるのです。

もっとも、指を壊すと、となりの手首や、上にある肘、さらに肩や上胸部に首も

連鎖的に影響を及ぼし壊れていきます。そうすると、手から身体の感覚が鈍くなると同時に

自分のカラダも運動機能がうまくいかなくなり壊れていくのです。

 

そうなると、

まともな身体で相手に触れることもできませんし、相手との感応も起こりにくくなります。

相手のカラダを敏感に感じることもできなくなりますし、それに基づいて細かい運動を駆使しての

操法もできなくなります。

 

そういう意味で”手”は大事にしなければならないのです。

一部の療術家では”親指を壊して一人前の療術家”などとやっているようですが、

それはとんでもないことです。たかが”親指”というかもしれませんが、

先のとおり、指を壊せば、やがて身体も壊れていきます。

自分のカラダを壊していくし、壊れた自分のカラダで以って相手を施術していく事ですから、

それがどんなにとんでもないことか、自明の理だと思います。

 

”指”を壊さない秘訣は”力”をかけないことです。

つまり自分の”ナマの力”を相手に及ぼさない、つまり”ナマの力の否定”です。

簡単に書いていますが、非常に難しいことです。

 

それを少しでも実現に近づけるため、

私たちのような”野口整体”を学んでいる者にとっては

必ず”型”というものを学び、稽古を重ね身体の動きの研鑽をしていきます。

 

野口整体をご存知の方であれば、うつぶせで寝て受けている人の上にまたがる

”中腰の型”というものがありますが、あえて中腰の型をすることで、

自分の腕からナマの力で相手を操法することを排除し、逆に身体全体を統一すると同時に

ナマの力を抜いて相手のカラダに働きかけるのが目的です。

そうなれば強引な力がかかることがないので、受ける相手にとっても安全で安心です。

 

”型”については日々研鑽していますが、

日常動作を質的に転換しなければならないので非常に難しいものがあります。

 

ずっとエラそうなことを書いていますが、研鑽途中の未熟ゆえ、

一日に20~30人操法すると、やはり指を痛めてしまいます。

 

私だけでなく療術家が指を痛めると、恢復に非常な手間と時間を要します。

今は、とにかく”ナマの力の否定”を肝に銘じ、”型の研鑽を通じ身体動作の質的向上”さらに

”指を労わりながら”、整体操法に臨んでいます。

(おわり)