”整体”ってな~に?-わかりやすく、納得できるまでご説明します②

”整体”ってな~に? 具体例を交えて説明します②

前回の①につづいて、今度は具体例を交えて説明しますね

前回①はコチラからご覧ください

リンク:前号”整体”ってな~に?①

 

1.整体はカラダに出た”ゆがみ・かたより”を見て、調整します

整体では、さまざまな無自覚・無意識の動きから生じた『かたより・ゆがみ』が

からだの内側にある臓器の機能や、神経系統の働き、そして血液の循環などに

影響を与えて、いろいろな不調、病気、心の悩みを作り出していると考えます

 

繰り返しますが、この『かたより・ゆがみ』にアプローチして調整して整えるコトで

心身が整い、元気がよみがえってきて、その人らしいイキイキとした人生が送れるのです

これが『整体』の役割です

 

これも繰り返しになりますが、『調整』『整える』といっても

グキパキポキしたり、揉んだりするのではなく、前回①で触れましたように

手のひらで、わずかに相手のカラダに触れるだけでも、自分と相手が気で感応し合って

相手の方の自然治癒力を高めていき、結果的に「かたより・ゆがみ」が整っていくのです

 

 

野口整体の野口晴哉先生は、これを『愉氣法(ゆきほう)』と名付けられました

では、ほんのちょっぴり専門的な具体例を紹介いたします

 

2.背骨は語る-背骨を観察して調整する重要性-

生前、野口晴哉先生はお弟子さんにこう語ったそうです

「もし僕がいなかったら、駅のホームにいると思ってくれ。ホームの階段を登ってくる人々の背中を

見るのが楽しくてたまらないんだ」

 

いまの駅はエスカレーターが設置されてしまいましたが

電車に乗る乗客は、プラットホームに通じる駅の階段を登らなければなりませんでした

長い階段を登り切ると、人はほっと息を吐いて、安心してカラダのチカラが抜けていきます

 

野口先生は、この息を吐いた一瞬を逃がさずに人々の背中を観察して

その人のカラダの状態だけでなく、過去の既往歴や、将来どんな病気になるかまで

すべて観察をとおしてわかったそうです。まさにすごい観察力だと思いませんか?

 

私自身の観察力は、野口先生の足元はるかにも及びませんが

ときどきカフェでコーヒーを飲みながら、外を歩く人々を観察しています

 

チョット見ただけで、右足と左足を均等に歩ける人は皆無です

無意識にお尻を出したり、捻じったりと、観ていると飽きません

時代の趨勢でしょうか、”ネコ背”で、背を丸くして歩いている人が多いんです

 

3.背骨のコレが飛び出していると-肺・呼吸器を悪くしている

さきほどの野口先生の例ではありませんが

とりわけ整体では、背中や背骨の状態を観察してきます。これを重要視しています。

背骨の変化が、その人のカラダや心の状態を表していると言っても過言ではないからです

 

 

どうして背骨なの?と思われるかもしれませんが、理由はこうなんです

背骨って、カラダを支える骨格としての役割だけでなく、筋肉運動のカナメになったり

身体じゅうの臓器をコントロールする、つまり神経や血行なども支配する役割もあるのです

 

相手の方をうつ伏せになって寝てもらって、いちど背骨の状態を観察してみて下さい。

背骨を観察すると、わずかでも背骨のうえの突起が、飛び出たり、凹んだり、左右にズレたり

捻れていたり、果ては下に落ちてしまってトナリの骨とくっつきあったりと、さまざまな状態を

見せてくれます。

 

具体例をあげましょう。

いまやコロナウイルス感染で肺炎について取り上げられていますね。

背骨の骨である胸椎3番・4番という、左右の肩胛骨にはさまれ、中央に位置する骨がありますが。

これが飛び出したり、くっつきあったりとしたら、次項(4)の状態ではないかと見るのです。

 

4.ネコ背、ぜん息の原因はコレだった!

胸椎3・4番が飛び出したり、堅くなってくっつきあったりすると

心身の状態は少なくとも以下の状態ではないかと、見て取ってわかるのです

 

(心身の状態の例)

・まず、ネコ背のように背中が丸くなって姿勢が悪くなる

・肩をすくめるようになって、肩が堅くなって”肩こり”を感じやすい

・胸が狭まり、呼吸が浅くなって肺や気管支に負担をかけて、ぜん息の発作がおきやすい

・胸椎3・4番は、肺・心臓・自律神経系統のコントロール機能があるので、これらの臓器が

 弱ってくる

・関係する鎖骨の内側や、首の筋肉も堅く緊張するので、首・頭・腕にも悪影響がでる

・呼吸が浅くなると、落ち着いて考えられなくなり、感情が不安定になりやすい

 

といった問題がでてきます

 

背骨を観察して、胸椎3・4番の状態が”おかしい?”と思ったら

少なくともカラダやココロは上記の状態に陥っていることがわかるのです

 

そうすると

胸椎3・4番の飛び出しなどの異状を調整しなければなりませんが、

力づくでぎゅっぎゅっと押せばいいモノではありません。

 

かたく緊張したものに、力づくで押したりすると

よけいに緊張して堅くなって事態をますます深刻になってしまいます

 

相手の吐く息のそって、そーっとやさしく押圧して

吐き切りで、吸いのアタマでポンと離してあげれば

わずかな刺激で背骨がゆるんで、元にもどろうとしてきます

 

力技を否定した、相手の呼吸にそって整体する”調息整体”の技術に

胸椎3・4番と関連する”首の胸鎖乳突筋”や”鎖骨の内側”を弛めるコトで

首や鎖骨が弛むと同時に、胸椎3・4番も弛んで元に戻ろうとしてきます

 

 

その結果、胸椎3・4番の異状は正されてきて

姿勢も徐々に修正されてネコ背から姿勢が良くなってきます

胸も拡がって、呼吸がしやすくなって結果、肺や呼吸器系統も元気になり

呼吸が深く穏やかになる分、感情も安定して、心身がより元気になるのです

 

これが「整体」の原理でもありますし

手法でもあるのです

5.整体のポイントは先人たちが遺した”智慧”である

極端な言い方をすると、胸椎3・4番は呼吸器などの調整する

「急所」とも、とらえられますね

 

いまのは、ほんの一例ですが

整体とは、とても細かい”人間観察”をしたうえで

からだに現れた異状を調整し、その人がより元気に活き活きと

生きられるように、導いていけるのが『整体』でありますが

 

その観察と調整の要点のひとつとして

あの背骨と、この背骨のゆがみ方、異状感を探し出して

カラダの内部では、こういう変動が起こっていると考えて

いろいろなバリエーションを経験的に見つけていきます

 

観察と調整法をすることで、確実な経験則ができあがってきます

それをまとめ上げたものが”整体法”であります

先人たちが苦労してまとめ上げた『整体の智慧』ともなるわけです

 

そういった先人たちが苦労と努力して作り上げた

『整体の智慧』でもって、いま心身の不調に悩む方にアプローチをして

心身の改善のお役立てと、より多くの人が活き活きと過ごせるように

導いていくのが『整体』の窮極的な目的ではないでしょうか

(おわり)

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