腰痛・ひざ痛・からだのトラブルは足元から-①女性の足が危ない!
2021.04.18
根本改善への第一歩-足元が変わると全身が改善する
1.女性の足が危ない-ハイヒールの危険性と足元の関係-
人間は自由に二足歩行できます。
ほかの動物みたいに四つ足でないので、両足にカラダの全体重がモロにかかります。
足の指先から、カカトを構成する足首まで、走ったり、跳んだり、階段を下りたりすると
全体重だけでなく、それ以上の負荷がかかります。足は過酷な状況で日々動いていますが
少しでも壊れると、上にあるヒザ、腰、背骨を通じて身体全体に悪影響を及ぼします。
いかに足元を大事にして、ケアをするかが
足のトラブル、ヒザ、腰痛だけでなく、全身の不調を改善するカギになるのは
おわかりになるかと思います。
ここではシリーズで、女性の足元に着目して
足のメカニズムと、ケアの仕方を詳細にわかりやすくご説明します。
(参考文献:朱鯨亭・別所愉庵先生:操法テキスト基本編ほか)
2.ハイヒールが足を壊す
繁華街を歩いていると、ときおり10センチ以上はあるかと思われる”ハイヒール”を
履いている女性をよく見かけます。しかも地面につくヒール先は”ピンヒール”
歩くたびに地面につくピンヒール先がグラグラになって、いまにも横倒しになりそうです。
このまま横倒しになれば、足を完全に挫いてしまう”ネンザ”になってしまいますが、
実は”ネンザ”になる寸前状態が常態化するのが、もっと怖いのです。
完全にネンザをすれば、強い痛みが出て本人も否応なく気づくはずですが、
ネンザの一歩手前で踏みとどまると強い痛みが無いので、そのまま何気なしに
過ごしてしまうのです。
しかし足の重心バランスはどんどん狂っていきます。
気づいた時にはその影響が全身に及んでいたということにもなるのです。
とくに女性の足首は、卵巣や子宮などの生殖器系統とも深いつながりがあります。
冷えの影響とあいまって、生理不順や不妊症、生殖器系統の不調は意外にも
足首に原因が生じていることが多いのです。
しかも生殖器をはじめ、全身に不調を感じても
なかなか足元に原因があるとは、気がつきにくいモノです。
また、その時点で足元を調整することは大事ですが、かなり狂いが生じているので
足元の調整と根本改善には、少々時間と根気も要することもあるのです。
おしゃれをしたい! 晴れ舞台で活躍したい!など、いろいろと事情があると思います。
決してハイヒールを履くな、と申しません。やはりご自身のお身体と足元と相談して
ここぞ!という時だけに履く程度にとどめていた方がいいかと思います。
3.ハイヒールは足指の骨も歪め、重心を狂わせる
下の写真(ピンヒールの写真)もご参考くださいね
ヒール高の高いピンヒールを履いている例ですが、
①の足指の付け根に付近に、地面がついていますね。ここに大きな負荷がかかってきます。
足指の骨(中足骨の突端付近)に、カラダの全体重の大半を受け止めるコトになります。
つまり歩くときは、延々”つま先”立ちで歩くことになります。
本来は足裏全体で、着地した時の体重を分散します。
このようなハイヒールになると、足指の付け根の一部に負担が集中しますので、
長時間履き続けていると、足指の付け根などが痛くなるのも当然です。
人間は痛くなった、疲労が著しい部分を意識的にも、無意識にも逃がそうとします。
そうすると足指の左右いずれかにズラそうとしたり、カカトに重心をもってきたりします。
これが足元の重心バランスを崩す原因になるのです。
とくに痛む箇所、疲れのある場所の反対側に重心がどんどんかかってきますので
重心バランスがどんどん狂ってきます。左右や前後のバランスが狂うのです。
その結果、カカトに重心がかかり過ぎると、ヒール先がやたらすり減ったり、めり込んだりして
歩くときもドスンドスンと、怪獣が歩くような感じになります。
カカトに重心がかかり過ぎると、骨盤がどんどん狂って後屈してきます。
背骨で腰のあたりにある”腰椎5番”などに負担がかかって、足や腰が弱ってきます。
言わば”老化”を早めることになります。
さらに腰椎5番のうえの、腰椎4番にも影響していきます。
腰椎4番は女性の生殖器系統や、妊娠・出産・生理で大事な骨盤の開閉運動と関係する骨です。
この腰椎4番にも連動して悪影響及ぼすと、女性にとって厄介な事態に陥ることになります。
下の写真のようなヒール高いピンヒールを履くと
すぐ足がくたびれてきます。足の指元とピンヒール先のカカトのわずかな場所でしか
体重を支えられないからです。
疲れてくると、たいていは足の重心は外側へとズレていきます。
②の写真では、両足とも外側へ重心がズレかかっているのがおわかりだと思います。
これが進行すると、ネンザの原因となるわけです。
4.気づいたらカッコ悪い”ガニ股”に…
さきの写真で②がどんどん進行すると、
ネンザで完全に挫いて痛い目に遭わなくても
足の重心がどんどん外側にズレていきます。
そうすると、あのカッコ悪い
ガニ股(がにまた)
で歩いてたということになります。
とくに、ミニスカートで
黒のタイツや、黒のピンヒールでロングブーツを履いていると
否応なく目立ってきます。
女性の方で、お心当たりのある方に対しては、大変失礼ですが
からだに合わない靴や、ハイヒールは、足の重心を狂わせるだけでなく
ヒザの動きを悪くさせ、骨盤の動きにも悪影響を及ぼします。
そうなると膝まわり、腰まわりの筋肉も
異状な緊張を強いられるなどして、疲労が著しくなって硬直しがちです。
そのうち骨格などを支える力も失い、ずれて衰えていくのです。
つまり足腰を弱らせて、老化を早める結果になるのです。
いまや”アンチエイジング”が流行っていて
いろいろな薬品、サプリ、器具だけでなく、ジムでも呼び込みをやっていますが
”足元”を見失うと、”足元”からあなたの健康を根底から覆されることになります。
5.足の不調を改善する
では、実際に足元をケアしてみましょう。
お一人でセルフケアとしてもできますが、家族、友人どうし2人組でやると効果的です。
まずは足をさわってみて下さい。足の5本の指、左右をていねいに触れてみてください。
正式には”足趾(そくし)”と言うそうですが、ここでは、わかりやすく”足の指”と呼びます。
ⅰ 足の指を”ていねい””やさしく”手あて(愉氣)
足の指先を一本、一本をていねいにやさしく伸ばしていきましょう。
一本ずつでも構いません。あるいは、
2人組で慣れている人は左右の足指を同時進行で伸ばしてもかまいません。
足の指先を伸ばしてみましょう。
よく伸びる足の指と、伸びが悪く縮こまっている足の指先があることに
お気づきでしょうか?
足の指のツメの位置を観ると外側に捻れているケースもありますよ。
ここでは詳しく申しませんが、
足の指が縮んでいるのは足の指先に負担がかかっている。
さらに足が冷えている状態です。
その結果”足の指先の血行・血流”も悪くなり、触ると冷たくも感じます。
まずは、手の指でやさしく包み込んで、足の指を一本一本ていねいに”手あて(愉氣)”して
あげてください。2,3分もすると温かくなって、指先がスッと伸びるようになります。
2人組の場合で行う方法を説明します。
受ける人(受者)はあお向けで寝て、足の指先をチョンチョンと伸ばしてもらいます。
伸ばしてあげる相方の方(操法者と呼びます)は、やさしくチョンチョンとリズミカルに10回
くらいやってあげると、足の指先だけでなく、足全体、腰も気持ち良く伸びてきます。
床は堅めにして、マットや枕はしません。
うまくやればチョンチョンの効果が”骨盤・背骨・肩・頭”へと及んで、
全身の調整にもなります。足の指先から全身を調整させる”極意”にもなります。
(下の写真参照)
ⅱ 足全体を、手のひらで包み込んで愉氣する
次も、非常にシンプルですが”足元”から全身が変わる効果的な操法です。
当根本改善整体らくしんかんでは、高齢者の方が多く整体を受けられています。
大半が腰や足元の不調なので、整体操法時に必ずと言っていいほど行います。
とくに秋以降から春先まで、足が冷たくなっていると
この操法はとっても温かくて、気持ちの良いものです。
お一人でもできますし、2人組で行うと効果的です。
ぜひ実践していただきたいと思います。
”足の裏側”全体を手で包み込んで愉氣をする
足裏の”土踏まず”に、操者の手のひらで、やさしく包み込んであげます。
まさに”足の手あて”です。手をあてるだけ、これを野口整体では”愉氣(ゆき)”と呼び
整体操法の基礎でもあり、真髄でもあるのです。
数分くらい、じい~と集注して足の裏に愉氣します。
おしゃべりは控えます。ましてテレビ、スマホなど余計なモノは見ないで
受者は、操者から愉氣されている足の裏の感覚を感じ取るようにしましょう。
手をあてる、愉氣をすることでお互いのカラダと生命に向き合うことになります。
数分ぐらいでいいでしょうか。
足の裏が温かくなり、弛んでくると、足だけでなくヒザのウラ、骨盤中央、後頭部
手首など全身が弛んできます。
とくに足の親指のつけ根は”頭や鼻”とも関係があるので
頭の病気や、認知症対策にも重要な場所にもなります。
”足の甲側”もやさしく包み込んで愉氣する
”中足骨”については、別の機会に詳しく説明しますが(場所はアイウオッチの写真参照:◎印)
足の指の骨のひとつである”中足骨”が変位すると複雑になってきます。
早いハナシ、足の調整もやっかいで時間と根気も要するのです。
こうなると、いかに足元をキチンと保っておくことが
あなた自身の健康維持と、若さを保つうえで大事だとわかっていただけると思います。
話しを戻しますが、中足骨の調整は厄介なのですが、いちばんシンプルな調整法は
足の甲を、てのひらでやさしく包み込んで手あて(愉氣)をすることです。
さきの足裏の愉氣と要領はまったく同じです。
数分も愉氣を続けると、中足骨の捻れがある程度調整されます。
さらに足から上に引っ張っている力が消えて、身体前面も弛んできます。
足の冷えが気になる方も、これで改善してきます。
6.まとめ
足は全体重を支える以上、
長年のカラダの使い方、生活習慣で足元にかかる重心が少しずつ狂いだします。
日々の狂いがわずかでも、長い年月が経過すると大きな狂いとなり
その結果、足元だけでなく、上にあるヒザを痛めたり、腰を痛めたり
さらには全身に及ぶことにもなります。
二足歩行や、走ったり、跳んだりなど
足元には過酷な運動とチカラがかかっていますので、足元の調整もチョットやっただけでは
すぐに元に戻ってしまいます。
したがって、日々のケアや調整が重要になってきますし
カラダを壊す誤った重心の掛け方、動き方、生活習慣を見直す必要もあります。
当根本改善整体らくしんかんでは
引き続き、足元からカラダ全体、根本から元気になれるヒントを提供し続けます。
(つづく)
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