「世界一幸せな国」フィンランドが直面する現実
2021.07.10
人の精神衛生をむしばむフィンランドの闇とは?
4年連続「幸福度ナンバーワン」のフィンランド
世界の国や地域の「幸福度」をランキングした国連の報告書で
北欧のフィンランドが2018年から4年連続して第1位となりました。
ちなみに日本は40位(2020年度調査)。
高順位を獲得した国はフィンランドをはじめ、北欧諸国が占められています。
社会の公正性に自由度の広さ、充実した社会保障など安心の社会体制、森と湖の豊かな自然が
バックグラウンドになって人々の心理的な満足度を構成している面もあります。
いっぽうでは「幸福」にたいする考え方、求め方も
個人によって、国民によっても大きく価値観が違っているのでないかと思います。
とくに日本人は「幸福感」にたいしてはシビアなのかもしれませんね。
しかしながら「世界一幸せな国」フィンランドも、
メルヘンチックでも天国みたいな国ではありません。
10年以上前ですが、現地ヘルシンキでフィンランドの青年と話していても
・少子高齢化が加速と、地方での過疎が深刻になってきた
・国の財政が苦しくなって、福祉予算のカットがはじまるのでないか?
とフィンランドの先行きを不安視するようなコトも聞きました。
現在、こちらのフィンランド在住のYouTuberの方が、
ご自身の肌で感じたことも含めて、「幸福度世界一」だけれども
さまざまなフィンランドの社会問題を、流ちょうな日本語で解説してくれます。
こちらに動画リンクを貼っておきますので
よろしければご覧になってください。
リンク:YouTube動画”世界一幸せな国、フィンランドで起きているデメリット・社会問題
とくに若者のウツの問題を取り上げていますが
その要因として以下の4つあげています。
・生産価値の高さを求めるため、社会的なプレッシャーが強い
・離婚や移民問題などから、家族の貧困問題によるもの
・自由なゆえに、社会的選択肢が多いコトが原因になるもの
・長い冬と、日照時間が短いこと
くわしくは動画を見てください。
整体をしている立場からみると
最後の項目「長い冬と、日照時間が短いこと」に大きな関心を持っているので
これについて深堀していきます。
人の心をむしばむ-”寒くて暗い冬”という闇
フィンランドの南端にある首都ヘルシンキでも、緯度は北緯60度です。
国土の3分の1が北極圏にあるといわれます。北極圏は夏は白夜で夜の闇はありませんが
冬になると「極夜(フィンランド語で”カーモス”)」といって太陽が一日中登りません。
私も9月中旬にヘルシンキに行きましたが、すでに晩秋か初冬みたいな感じで
朝の気温が10度くらい。ダウンコートを羽織って街を歩いた記憶があります。
11月から3月までは冬の季節。加えて昼の時間が短くてヘルシンキでも
朝9時になってようやく明るくなって、午後3時には暗くなるといいます。
10・11月は雨の季節ともいわれ、雨続きのどんよりした気候になります。
寒い、どんよりしている、暗い日が続くとなると
いくら明るい性格の人間も”ゆううつ”になりがちです。
職場でのトラブル、家族や配偶者とのいさかい、友人とのあつれき
なにかイヤなコトがあれば、冬なら陰鬱とした環境も手伝って
”落ち込む”どころから、ウツの谷底へ突き落されてしまうでしょう。
実際に1980~90年代には、フィンランドでは自殺者が多く社会問題になりました。
やはり冬の季節に”うつ”などに悩んで自殺者が多く出たそうです。その後は国をあげて
自殺防止対策に取り組んで、今では自殺率は日本より低くなるほど改善したそうです。
整体で”うつ病”の対策にも取り組みます
『整体っていうと、腰痛や肩こり改善がメインじゃないの?』と
言われそうですが、実は「うつ病」の改善にも取り組むことがあるのです。
しかも
「うつ病」改善には”腰(骨盤)”は大事な調整点のひとつです。
「うつ病を改善するのに”腰”を使うの?」
だんだんとワケがわからなくなりますね。
人間の身体は、腰や肩など部分、部分でとらえてはいけません。
”うつ病”などは頭の問題もありますが、神経とくに自律神経ともつながって
腰や骨盤にも関連してきているのです。
骨盤のうしろには、仙骨や尾骨もありますね
これらが整っていないと精神的に安定しないのです。
日本でもそうですが、梅雨どきになると長雨と湿気で気分が沈みがちになります。
感情が落ち込んで”うつ状態”になる方がいます。こういった方の腰を調整すると
どんどん明るくなって元気になってくるのです。
前回のブログで、東日本大震災被災地の気仙沼で出会ったフィンランドの老婦人に
整体をしたら、頭もカラダもスッキリして、とても気持ち良くなったと言われました。
チャンスがあれば、こちらから冬場にフィンランドに行ってみたいと思います。
整体で”うつ状態”に悩んでいる方々を、改善されて元気になるお手伝いができて
今も抱えている「うつ病問題」の改善にお役立てればと思っています。
(おわり)