恋人さがしも?-”フィンランドの夏至祭”

1年で昼間がいちばん長くなる”夏至”を迎えますね。日本ではジメジメした梅雨とかさなって

あまり夏至の実感がありませんが、夏が短い北欧では国民こぞって盛大に祝う習慣があります。

今回はフィンランドの夏至祭のルーツと、現在のようすを興味深く解説していきます。

からッと爽やかな夏のフィンランド、これを読めばジメジメも吹っ飛んで気持ち良くなりますよ

比べてみると-日本・フィンランドの日の出・日の入り時刻

まず、夏至の日本とフィンランドの日の出・日の入り時刻をごらんください。

(2022年は6月21日が夏至にあたりますので、この日が基準にします)

 

(日本)

・稚内市(北緯45度51分)-日の出 3時45分。日の入り 19時25分

・広島市(北緯34度23分)-日の出 4時55分。日の入り 19時25分

 

(フィンランド)

・首都ヘルシンキ(北緯60度17分)ー日の出 3時54分。日の入り 22時50分

・北極圏の最北端の街・ウツヨキ(北緯69度50分)ーただいま白夜中

次の日の入りは、なんと来月の7月28日午前0時44分。それまで日没がない。

 

あらためて見ると極端ですよね、フィンランドの最南端で首都のヘルシンキでさえも

夜の11時近くにならないと、日が暮れない。実際この時期に行ってみると

いつまでたっても暗くならない。夏至のころは文字通り”夜遊び”できないんですね(笑)。

もとは雷神様に、雨乞いと五穀豊穣を祝うのが目的だった

フィンランドにおける夏至祭の原型は、自然を崇める古代信仰からと言われています。

そのなかで”ウッコ(UKKO)雷神・気象の神様の意”を祀る儀式だったようです。

 

冬の寒さが厳しいだけでなく、そして夜も長いフィンランドは

農耕に適するのが夏のわずかな期間しかありません。

もし、この時期に日照りや干ばつなど天候不順で農作物がとれないと

飢饉となって餓死につながってしまいます。

 

そのため”UKKOの雷神・気象の神様”にたいして、ビールなどを供えることで

雨乞いの饗宴をおこないながら五穀豊穣を祈ったそうです。

フィンランド夏至祭の風物詩”Kokko(大たき火)”の意味は?

ところで夏至の風景写真をみると

至るところで”たき火”をしています。これを”コッコ(Kokko)”といいます。

しかも大きなたき火で、日本では言えば正月のしめ縄を燃やす”どんと焼き”に似ています。

 

フィンランドでは、このたき火は”悪魔ばらい”を目的としていたそうです。

古代からフィンランドでは、さまざまな精霊の存在が信じられてきました。

そのなかには悪霊もいます。

 

そうして夏至のころになって、太陽の軌道がもっとも高くなるころに

太陽の動きをとめて悪霊どもが暗躍して悪さをするそうなんです。

それを防ぐ意味で”大きなたき火”を焚いたそうです。

 

また別の説では、

フィンランド含むバルト諸国では太陽の女神を崇めるために丘の上で”焚き火”をして

踊りながら太陽女神を崇めたそうです。

中世に入るとキリスト教の影響をうける

中世に入ると、フィンランドでもキリスト教が徐々に拡がってきます。

自然に拡がっていくのでなく、侵略国のスウェーデンやロシアの影響で

フィンランド土着の信仰や風習が変えさせられ、キリスト教の色合いが大きくでます。

 

ところで現在フィンランドでは、夏至祭を”ユハンヌス(Juhannus)”と言っています。

これはイエス・キリストの高弟であった洗礼者ヨハネの生誕祭にちなんだそうです。

 

洗礼者ヨハネは、イエス・キリストが生まれる(12月25日)よりも半年前に生まれています。

ちょうど夏至と重なる時期なので、北欧では聖ヨハネの生誕を祝う意味合いが出ているようです。

 

話しはそれますが、フィンランドでいちばん大事なクリスマスのお祝いも

フィンランドにキリスト教が入ってからです。いまではサンタクロースで有名ですが

これも19世紀になってアメリカ合衆国など他国の影響をうけて拡がりました。

 

そういうことで、現在の夏至祭はキリスト教の影響を受けながら

当初の土着信仰のころと比べると、ずいぶん様変わりをしているのです。

夏至祭の祝い方-みんなはどうしているの?

フィンランドの場合、6月18日以降で最初の金曜日の夜を”前夜祭”として

金・土・日の3日間を夏至祭として祝います。もちろん祝日としてお休みです。

 

この時期は日照時間の長い夏の時期なので、別荘・コテージなどに移動する人も多いようです。

お店や施設がクローズするところが多いので、観光客にはちょっと不便で困りますね。

 

そうして前夜祭にあたる金曜日の夕方から、フィンランドの国旗を掲揚します。

フィンランドの国の木で、サウナでもつかう”若い白樺”の枝を切って

教会・家・別荘などのコテージの入り口の両サイドに飾るそうです。

 

なんだか、日本でお正月にかざる”かどまつ🎍”に似ていますね。

ハイテンション極まって-湖にドボン・水没者続出する⁈

寒く暗いユウウツな冬が長い分、

夏になると多くがハイテンションになります。

ついボルテージがあがって、飲めや歌えの大騒ぎになります。

 

この時期の土曜日の晩、フィンランド東部のホテルに泊まったことがありますが、

隣室だけでなく、あちこちの部屋でドンちゃん騒ぎになって、これがウルさくて

ひと晩じゅう眠れなかった実害にあっていますので、ご注意ください(トホホ)。

 

もちろんサウナにも入ります。

そしてビールなどのお酒を思いっきり飲んで、ベロンベロンに酔っぱらう人もでます。

 

そのまま酔って湖にドボンと飛び込む人も多く、なかには湖からあがれず

ドザエモンになる人が多いのもこの時期だそうです。【Ω\ζ°)チーン】

夏至祭-将来の伴侶をみつける場にも

夏至祭では、地方中心に民族衣装を着かざって

男女いっしょになってダンスを楽しんだりするダンスパーティーも催されます。

 

ここには見知らぬ男女が多く集まるそうで、格好の出会いの場になります。

将来の伴侶を見つけることができて、恋活、婚活の絶好のチャンスです。

こうなれば若い人もテンションが急上昇するのも無理ないですね。

 

夏至祭のころは、花がいっせいに咲くので

女性は花を摘んで、花冠をつくって頭にかぶる習慣があるようです。

 

それにちなんで

夏至祭のころには”女性の良縁”を予言する、多くの言い伝えがあります。

 

たとえば

・7種の花を摘んで枕の下において眠ると願いが叶うー夢で将来の伴侶と出会える。

・女性が夏至にサウナから出て裸でライ麦畑を走ると、花婿に出会える。

・女性がパートナーのモモをヴィヒタ(白樺の枝をまとめたもの)を叩くと、

 叩いた回数だけの子どもが授かる。

といったものがありますが、夏至の日には結婚式も多いのもフィンランドの特徴です。

フィンランドの夏至祭を楽しむには

いかがでしたか? フィンランドの夏至祭

長く暗くて寒い冬から解放され、貴重な夏を思いっきり楽しみたい

フィンランドの人々のエネルギーを感じてきますね。

 

再度になりますが、夏至祭はフィンランドでは大事なお祝い行事のひとつですから

多くのお店や施設などがクローズしたり、交通の便も悪くなったりしますので

この時期のご旅行の際は注意が必要です。

 

さらには、みんなハイテンションのうえ羽目を外す人もいるので

酔っ払いに絡まれたり、夜うるさくて眠れなかったということがありますので、

併せて注意してくださいね。

 

現地にいって夏至祭を楽しみたい、大きな焚き火(※)を観たい時は

ヘルシンキ郊外の”セウラサーリ”という公園で行くと体験できるとのことです。

こちらフィンランド政府観光局のサイトも掲示しますので参考にして下さい。

リンク:Visit Finland フィンランド政府観光局のページ

 

(※)火事につながる恐れがあるので、焚き火しているところが減っているようです。

 

【参考にした資料・文献】

・NHK文化センター京都教室オンライン講座「フィンランドの夏至祭~その歴史と祝い方~」

(こばやし あやな様)

・Visit Finland(フィンランド政府観光局)のページ

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